自動車産業の挑戦
日本の自動車産業が行った挑戦は、アメリカ型のハイボリューム、ハイスピード生産システムの中で歴史的に累積されてきた、単能工主体の複雑な職務構造による労働慣行・・・
それによるワーカーの意欲喪失と労使の信頼関係欠如、部品メーカーを育てない部品生産と取引のシステム、市場動向の変化や環境問題などに柔軟かつ迅速に対応できない硬直化むた生産体系とまったく対照的な、新しい自動車産業のシステムを準備することになりました。
約10年にわたって世界の自動車産業の基本動向を国際的に研究してきたMITの国際自動車共同研究では、この日本の自動車産業のシステムを、欧米の在来型マスプロシステムに対比してリーンシステムと称しています。
まさにこのリーンシステムを全体として追求したことによって日本の自動車産業は、在来型のマスプロシステムに比べて、はるかに少数精鋭で効率がよいのです。
生産性と品質が両立し、多能工主体の労働慣行や市場や技術の変化に対してフレキシブルに対応できる生産システムと、部品メーカーが育ちその品質、コスト、納期と開発力が絶えず向上していくシステムを確立できました。
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そしてこのリーンシステムが追求される中でこそ、日本版マスキー法や第一次石油危機への対応が可能になったといえるでしょう。
・・・やがてこうして培われつつあった新興の日本の自動車産業の潜在力が、第二次石油危機でアメリカ市場に起こった事態の急変のもとで、劇的な日米逆転のドラマを生むことになるのです。